2種類の抗HIV薬、カボテグラビルとリルピビリンを組み合わせた注射による治療です。
最初に2種類の錠剤を服用しますが、この錠剤にはこの後使用する注射剤と同じ有効成分が含まれています。
また、錠剤および注射剤のいずれも、添加剤が含まれています。
添加剤を含む成分については、各お薬の電子添文をご確認ください。
添加剤を含む成分に対してアレルギーがあると思われる場合は、主治医などの医療関係者にご相談ください。
ボカブリア水懸筋注の電子添文を見る
リカムビス®水懸筋注の電子添文を見る
カボテグラビル錠の電子添文を見る
リルピビリン錠の電子添文を見る
この治療は、2種類の注射をすることで、HIVのウイルス量を抑制する働きがあります。
この2種類の注射は、お薬の有効成分が、注射したお尻の筋肉から長期間にわたってゆっくりと血液中に吸収され、ウイルス量を抑制する効果が長時間続くように設計されています。
ボカブリア水懸筋注とリカムビス®水懸筋注は、長時間体の中にとどまり1ヵ月間あるいは2ヵ月間効果が続くため、次の注射治療の投与予定日までの期間中はHIVのウイルス量を抑制することができます。
お薬の有効成分であるカボテグラビルとリルピビリンは、注射したその日から血液中に吸収されます。
ただし、1ヵ月に1回または2ヵ月に1回の注射治療を始めたら、その治療を継続することが大切です。
2回目以降の注射治療は、投与予定日の前後7日以内に行います。
1ヵ月に1回または2ヵ月に1回、主治医と決めた日に医療機関へ通院してください。
通院予約日は主治医と相談の上決定します。
通院予約日を変更したい場合は、できるだけ早く主治医などの医療関係者に連絡してください。
投与予定日の前後7日以内に注射治療を行う必要があるため、主治医などの医療関係者に相談してください。
治療に関してわからないことや不安なことがあれば、主治医などの医療関係者にご相談ください。
この治療では、お薬の有効成分が錠剤よりも体の中に長くとどまります※。
カボテグラビルとリルピビリンは、注射した後、時間が経過するにつれて体の中から減っていきます。
体の中のお薬の濃度が低くなると、ウイルス量を抑制する効果が弱まってしまい、お薬に耐性を持つウイルスが増えるリスクが高まります。
そのため、治療効果を維持してウイルス量を抑制するためにも、1ヵ月に1回または2ヵ月に1回の注射治療を継続する必要があります。
治療に関してわからないことや不安なことがあれば、主治医などの医療関係者にご相談ください。
※ 12ヵ月以上にわたって血中に残留する可能性があります。
副作用の発現には個人差があります。このお薬で起こる可能性がある主な副作用を以下およびこちらのページに掲載しているので、治療を開始する前に、副作用について理解しておきましょう。
質問があれば、主治医などの医療関係者にご相談ください。
起こる可能性がある注射部位反応以外の主な副作用(1~10%未満の発現頻度)
次の症状があらわれる場合があります。
- 頭痛、不安、異常な夢、不眠症、浮動性めまい、うつ病、傾眠
- 悪心、下痢、嘔吐、腹痛、鼓腸
- 発疹
- 筋肉痛
- 発熱、疲労、無力症、倦怠感
- 体重増加、トランスアミナーゼ上昇、リパーゼ増加
次のような症状があらわれた場合は、主治医などの医療関係者にすぐ連絡してください
- アレルギー反応の症状(顔のむくみ、呼吸困難、発疹、高熱など)
- 感染症の症状(発熱、頭痛、腹痛、呼吸困難など)
また、注射治療開始後には、上記の副作用のほかに注射部位反応が起こることもあるので、注射部位反応についても理解しておきましょう。
注射部位反応
注射したところが痛くなったり、かゆくなったりすることがあります。どのような症状が起こることがあるのかを知っておきましょう。
- 注射したところが、少し痛かったり、硬くなっているように感じることがあります。
- その注射したところが、腫れたり、赤くなったりすることもあります。
(10%以上の発現頻度)
- 疼痛
- 結節
- 硬結
(1~10%未満の発現頻度)
- 不快感
- 腫脹
- 紅斑
- そう痒感
- 内出血
- 熱感
- 血腫
- 知覚消失
そのほかの注射部位反応が起きたり、時間がたっても痛みが続くような場合は、必ず主治医などの医療関係者に相談してください。
注射部位反応への対処法
− 注射したところの違和感を和らげるために
- 体を動かしたり、ストレッチをするように心がけましょう。
- 長時間、座り続けないようにしましょう。
- 激しい運動は避けましょう。
ほかのお薬やサプリメントの中には、この治療の効果を強めたり、反対に弱めてしまったり、副作用が出やすくなるものもあります。
ほかのお薬やサプリメントを服用する場合は、主治医などの医療関係者にご相談ください。
以下のいずれかのお薬やサプリメントを服用している場合や服用を始めた場合、主治医などの医療関係者に必ず伝えてください。
【抗てんかん薬】
カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール
【抗結核薬】
リファブチン、リファンピシン
【ステロイド】
デキサメタゾン
【抗生物質】
クラリスロマイシン、エリスロマイシン
【鎮痛薬】
メサドン
【抗不整脈薬】
アミオダロン、ソタロール
【抗リウマチ薬】
メトトレキサート
【ハーブサプリメント】
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
【胃薬】
オメプラゾール※1、ランソプラゾール※1、ラベプラゾール※1、エソメプラゾール※1、ボノプラザン※1、アスピリン/ボノプラザン※1、ファモチジン※1、シメチジン※1、ニザチジン※1、ラニチジン※1、制酸剤※2
※1 リルピビリン錠を服用中の場合。
※2 カボテグラビル錠およびリルピビリン錠を服用中の場合。
治療に関してわからないことや不安なことがあれば、いつでも主治医などの医療関係者にご相談ください。
2種類の錠剤を1ヵ月間(少なくとも28日間)を目安に食事中または食直後に1日1回決まった時間帯に一緒に服用してください。
毎日、同じ時間帯に錠剤を服用することで、習慣となり忘れにくくなります。あなたのライフスタイルに合わせて、最適な時間帯を選んでください。
注射治療を始める前に、1ヵ月間(少なくとも28日間)を目安に錠剤を服用して、お薬の有効成分による副作用の有無やこの治療があなたに合っていることを確認するためです。
錠剤の服用中に何か体の異常を感じたり、いつもと違うと感じた場合は、すぐに主治医などの医療関係者に連絡してください。
副作用の発現には個人差があります。このお薬で起こる可能性がある主な副作用をこちらのページに掲載しているので、治療を開始する前に、副作用について理解しておきましょう。
質問があれば、主治医などの医療関係者にご相談ください。
注射したところが痛くなったり、かゆくなったりすることがあります。どのような症状が起こることがあるのかを知っておきましょう。
- 注射したところが、少し痛かったり、硬くなっているように感じることがあります。
- その注射したところが、腫れたり、赤くなったりすることもあります。
(10%以上の発現頻度)
- 疼痛
- 結節
- 硬結
(1~10%未満の発現頻度)
- 不快感
- 腫脹
- 紅斑
- そう痒感
- 内出血
- 熱感
- 血腫
- 知覚消失
そのほかの注射部位反応が起きたり、時間がたっても痛みが続くような場合は、必ず主治医などの医療関係者に相談してください。
注射したところの違和感を和らげるために次のことに気をつけましょう。
- 体を動かしたり、ストレッチをするように心がけましょう。
- 長時間、座り続けないようにしましょう。
- 激しい運動は避けましょう。
ボカブリアとリカムビスの注射治療に用いられる注射針は、21~23ゲージが推奨されています。注射針の長さは肥満度をあらわす指標のBMI(ボディマス指数)を考慮して用いられます。BMIが高い場合は、長い注射針を用いることもあります。
わからないことや不安なことがあれば、主治医などの医療関係者にお尋ねください。
いいえ、できません。臀部(おしり)の左右異なる側の筋肉または片側の臀部(おしり)の筋肉で2cm以上間隔をあけて注射をする必要があるため、ご自身で注射をすることはできません。
必ず主治医などの医療関係者に注射をしてもらう必要があります。
詳細は、主治医などの医療関係者にお尋ねください。
通院予約日を変更したい場合は、できるだけ早く主治医などの医療関係者に連絡してください。
投与予定日の前後7日以内に注射治療を行う必要があるため、主治医などの医療関係者に相談してください。
できるだけ早く主治医などの医療関係者に連絡してください。
投与予定日の前後7日以内に注射治療を行う必要があるため、主治医などの医療関係者と相談してください。
注射は、左右の臀部(おしり)の上部外側の筋肉に行うため、主治医などの医療関係者が注射をしやすいような服装で通院するとよいでしょう。
注射の際に必要なことについて、主治医などの医療関係者に確認しておいてください。
もし、洋服を脱ぐことに不快感があれば、主治医などの医療関係者に伝えてください。注射治療を受ける際に、プライバシーを守ってもらう方法を考えてもらいましょう。
投与予定日から7日を超えて、通院の予約が遅れてしまう場合には、代替として錠剤を服用する必要があります。
もし、2ヵ月以上注射治療をできないことがわかったら、すぐにそのことを主治医などの医療関係者に連絡してください。そして、ほかの治療法について指示を受けてください。
引っ越しをした場所でも、引き続き注射治療を受けることができます。
転居を予定している場合は、主治医などの医療関係者に連絡してください。ほかの医療機関で注射治療を続ける方法について、アドバイスを受けましょう。
注射治療後は、すぐに通常の生活に戻ることができます。
注射したところの違和感を和らげるために次のことに気をつけましょう。
- 体を動かしたり、ストレッチをするように心がけましょう。
- 長時間、座り続けないようにしましょう。
- 激しい運動は避けましょう。
主治医などの医療関係者の指示に従うようにしてください。
注射治療を中止したいときは、できるだけ早く主治医などの医療関係者に相談してください。
決してご自身の判断で、注射治療を中止しないでください。
お薬に耐性を持つウイルスが増えるリスクを低くするために、次の注射治療の投与予定日までに、ほかのHIV感染症治療を始める必要があります。
ほかの人に話すかどうかは、個人の自由です。注射治療を受けている方のなかには、親しい友人、家族、または大切な人に伝えたい人もいるでしょう。
心配なことがあれば、主治医などの医療関係者に相談してください。
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作成年月 2023年1月